消防設備士 乙6「消防関係法令」学習備忘録

消火器の設置

防火対象物の延べ面積による設置義務

防火対象物は、延べ面積により消火器具(消火器および簡易消火用具)を設置する必要がある。

延べ面積に関係なく設置する必要があるもの(算定基準面積50㎡)

防火対象物
(1) 劇場、映画館、演芸場または観覧場
(2) キャバレー、カフェ、ナイトクラブその他これらに類するもの
遊技場またはダンスホール
性風俗関連特殊営業を営む店舗
カラオケボックスその他遊興のための設備または物品を個室において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗
(6) 老人短期入居施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム(要介護)、介護老人保健施設、救護施設、乳児院、知的障害児施設、盲ろうあ児施設、重症心身障害児施設、障害者支援施設
(16の2) 地下街
(16の3) 建築物の地階((16の2)項に掲げるものの各階を除く)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの
17 重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡もしくは重要な文化財として指定され、または重要美術品として認定された建造物
20 総務省令で定める舟車

150㎡以上の場合に設置する必要があるもの(算定基準面積100㎡)

防火対象物
(1) 公会堂または集会所
(3) 待合、料理店その他これらに類するもの
飲食店
(4) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗または展示場
(5) 旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの
寄宿舎、下宿または共同住宅
(6) 病院、診療所または助産所
老人デイサービスセンター、軽費老人センター、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム、更正施設、助産施設、保育所、児童養護施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設(通所)、肢体不自由児施設(通所)、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援センター、児童家庭支援センター、身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホーム
幼稚園または特別支援学校
(9) 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの
イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場
(12) 工場または作業場
映画スタジオまたはテレビスタジオ
(13) 自動車車庫または駐車場
飛行機または回転翼飛行場の格納庫
(14)   倉庫

300㎡以上の場合に設置する必要があるもの(算定基準面積200㎡)

防火対象物
(7) 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他これらに類するもの
(8) 図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの
(10) 車両の停車場または船舶もしくは飛行機の発着場(旅客の乗降または待合の用に供する建築物に限る)
(11) 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
(15) 全各項に該当しない事業場

ただし、地階、無窓階、3階以上の階にあり、床面積が50㎡以上ある場合は、消火器の設置義務が生じる。

sentei_img01※主要構造部を耐火構造とし、かつ内装仕上げを難燃材料でしていますか?

出典:株式会社 初田製作所

 

防火対象物内の設備などによる設置義務

電気設備(変圧器や配電盤など)がある防火対象物

床面積100㎡以下毎に1個の消火器(電気火災に適したもの)を設置する必要がある。

消火器の設置個数≧床面積/100㎡

多量の火気を使用する場所(鍛造場、ボイラー室など)がある防火対象物

その場所の床面積を25㎡で割った値以上の能力単位の消火器(建築物その他の工作物の消火に適したもの)を設置する必要がある。

消火器の能力単位の合計≧床面積/25㎡

少量危険物を貯蔵または取り扱う場合

危険物の数量を、その危険物の指定数量で割った値以上の能力単位の消火器具(その危険物の消火に適したもの)を設置する必要がある。

消火器の能力単位の合計≧危険物の数量/指定数量

指定可燃物を貯蔵または取り扱う場合

指定可燃物の数量を、危政令別表第四で規定する数量の50倍の数量で割った値以上の単位能力の消火器具(その危険物の消火に適したもの)を設置する必要がある。

消火器の単位能力の合計≧指定可燃物の数量/別表第四で定める数量×50

その他の規定

単位能力

消火能力の基準となる単位のことで、各消火設備には数値が定められている。主要構造部分を耐火構造とし、かつ、壁や天井などの内装仕上げを難燃材料(不燃材用、準不燃材料)にした場合、単位能力は1/2(算定基準面積が2倍)になる。

大型消火器の設置

指定可燃物を500倍以上貯蔵し、または取り扱うものには、大型消火器を設置する必要がある。

消火設備の区分

種別 消火設備の種類 消火設備の内容
第1種 屋内消火栓設備
屋外消火栓設備
 
第2種 スプリンクラー設備  
第3種 固定式消火設備 水蒸気消火設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
第4種 大型消火器 水(棒状、泡状)
強化液(棒状、泡状)

二酸化炭素
ハロゲン化物
消火粉末
第5種 小型消火器(水バケツ、水槽、乾燥砂など)

消火器の設置基準

消火器の配置間隔

  1. 防火対象物の階ごとに設ける
  2. 防火対象物の各部分から歩行距離が20m大型消火器は30m)以下となるように設ける

設置基準の細目

  1. 床面からの高さが1.5m以下になるように設ける
  2. 水や消火剤が凍結し、変質し、または噴出する恐れがない箇所に設ける
  3. 地震動などによる転倒を防止するための措置を講じる。ただし、消化剤が漏出する恐れがないものは除く。
  4. 消火器を設置した箇所には標識を設ける※赤地に白文字
    消火器 → 消火器
    乾燥砂 → 消火砂
    水槽 → 消火水槽
    水バケツ → 消火バケツ
    膨張ひる石、膨張真珠岩 → 消火ひる石

消火器具の設置個数の軽減

消火設備の有効範囲に、消火設備と適応性が同じ消火器具を設置する場合は、消火器具の能力単位を原書売ることができる。

設置する消火器 減少できる能力単位の数値
大型消火器 1/2
屋内消火栓設備またはスプリンクラー設備 1/3
水噴霧消火設備、泡消火設備、粉末消火設備
不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備
1/3

ただし、11階以上に設置されている場合と屋外消火栓設備の場合は能力単位を減少できない

地下街等に設置できない消火器

二酸化炭素消火器、ハロゲン化物消火器(ハロン1211およびハロン2402)は、次の場所に設置できない。

  1. 地下街
  2. 準地下街
  3. 地階、無窓階、居室
    (ただし、換気について有効な開口部の面積が床面積の1/30で、かつ床面積が20㎡以下)

消火器具の適応性

  • 建築物、その他の工作物に使用できない消火器具(一般火災に使用できない)
    • 二酸化炭素、ハロゲン化物
    • 乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩
    • 消火粉末のうち炭酸水素塩類等を使用するもの
  • 電気設備に使用できない消火器具
    • 棒状の水を放射する消火器
    • 棒状の強化液を放射する消火器
    • 泡を放射する消火器
    • 水バケツまたは水槽、乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩
  • 第4類危険物(可燃性液体)に使用できない消火器具
    • 棒状の水を放射する消火器
    • 棒状の強化液を放射する消火器
    • 霧状の水を放射する消火器
    • 水バケツまたは水槽、炭酸水素塩類およびリン酸塩類以外の消火粉末

 

 

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